目次
大阪市城東区永田より【店舗排水管が詰まってる オーバーフローしてる】って依頼が舞い込んできました。
もう少し詳しく言うと【店内改装工事を済ませ明日からリニューアルオープン予定】との事です。
アイドルタイムには予定があったんですがそれまでは体が空いてたためチョコっと寄ってチャチャっと抜いてのつもりで行ったんですがまさかのツーデイズ(グハッ!)
では、この現場がどんな感じの現場やったんか詳しく解説して行きます。
まずは状況確認から
現場に到着して監督さんが来られる間に店舗の周りをグルグル回ってこの排水桝が怪しいと思っていました。
ただ、ここは大阪市内、しかも増改築を繰り返してる店舗、何が起こってもおかしくないがこの時点ではそんなに深くは考えてませんでした。
監督さんが到着して話を聞くと『グリストラップは溢れトイレも流れなくなってる』との事です。
監督さんとこの桝を開けたんだが特に詰まってる様子はないが2階のトイレから水を流すとチョロチョロしか流れて来ない。
ワテはここが怪しいと思ったんだが既設管とトイレの排水管、そしてグリストラップを接続した写真を見る限り監督さんは道路側に言ってる筈って話。
グリストラップからの通管作業
監督さんはドレンクリーナーを使ってグリストラップからの通管作業を希望されたんでこの時点ではここから通管作業をして排水経路が判明したら高圧洗浄のフォローも致し方なし。
ちなみに最初から10mmワイヤーにブレードカッター57を装備しました。
ドレンクリーナーは電動フレキシロッダーCRE、10mmワイヤーにブレードカッター57、グリストラップからの通管作業では定番のセットだがこの時ワテも監督さんもこれが地獄の始まりだとは知る由もなかった。
『物凄い正論をぶちかますと最早節水モデルのトイレの排水管にエルボは禁物で大曲りを材料費が掛かっても使わなきゃいけない時代に突入してるんかもしれない』って思ってた時期だったんでエルボを越える度に『うぅ~ん』って手応えだった。
途中から全くワイヤーが進まない手応えがあり何度も入れ直したりブレードカッター75に変更したりしたがどうしても越えない物がありました。
途中から参加した人がトイレで音がしてるって教えてくれてワイヤーを固定して監督さんにフートスイッチを操作してもらいトイレの音を聞きに行くと確かに便器の下の排水管で音がしてた。
最終桝からの通管作業
グリストラップからの通管作業を一旦STOPして監督さんと最終桝を探し当て『ここから高圧洗浄しましょう』と提案したんだが『距離的に僅かやからドレンクリーナーで!』との指示で結局最終桝からの通管作業をして行きます。
インバート排水桝の小口径桝で距離が短ければ下流側の排水桝から通管作業をした事はあるが上り坂になるんでなかなか難しい。
やはり途中から全く進まない箇所がありこの作業も途中で断念する事になりました。
後から思えばこの段階で管内カメラ調査すれば逃げる理由はいくらでもあったのにそうはしなかったんは何故だろう…
高圧洗浄機で洗管作業
時間も時間なんで低騒音ハイパワーの高圧洗浄機を準備して行きます。
用意した洗管ホースは2分と3分の洗管ホース。
対象は店舗から斜めに出てきてる排水管。
3分の洗管ホースには前方1穴後方6穴ノズルをセットしました。
2分の洗管ホースには2穴式HRノズル改をセットしました。
先発は3分の洗管ホースで途中で2分の洗管ホースにも変更しましたがこれまた途中から進まないトコがありました。
排水桝からの洗管作業
ここまでやって監督さんに『1度自分が怪しいと思ってる事を確かめさせてくれ!』と最初に開けた排水桝からの洗管作業をする事の許可を得ました。
3分の洗管ホースもダメ、2分の洗管ホースでもダメだったんで1分の洗管ホースを準備しました。
後方6穴スズランノズルまで出してきましたがこの排水桝からの洗管作業も上手く行かず再度最終桝からも再アタックしましたが上手く行きませんでした。
便器を外して通管作業
便器が付いてる状態で下流側にあるゴミ庫前の土間排水口からローポンプ作業をしたらゴミ庫は抜けたんですがトイレとグリストラップは相変わらずだったんで便器を外して通管作業する事にしました。
ここからの通管作業はブレードカッター57を使ったんですが今度は何故かグリストラップの方にワイヤーが逃げてしまいます。
同業他社に応援要請
この辺りで同業他社師匠に事のあらすじを伝えたところ『行ったるわ!フレキシブルシャフトの威力を見たいんやろ?』と応援に来てもらう事にしました。
待ってる間もあれやこれやと考えられる事をあれこれと試したんですが全滅したタイミングで師匠が到着しました。
フレキシブルシャフトって道具を意気揚々とやり出したんは良いんやけどグリストラップから突っ込むとトイレに…トイレから突っ込むとグリストラップに出てくるといった同じ結果になった。
ここから師匠の管内カメラ調査が始まり『ウチのカメラよりも見やすいなぁ~』なんて思いながら観てると排水管の中に解体ガラの様な物がギッシリ詰まってるのが確認出来ました。
また途中で排水桝が見付かったりしてここから師匠の管内カメラとウチの高圧洗浄機でガラを掻き出して行くんですが夜中の12:00を超えた辺りで翌日の朝に機械室をハツって排水管を取り出す事が決まりました。
2日目の作業
翌日の朝、現場に到着してもまだ排水管が出てきてなかったんですが途中で拾い出せその排水管から洗管作業をしてガラを取り出して行きます。
排水管の穴から前方1穴後方5穴のノズルで洗管作業をするんですがナンボでも解体ガラが出てきます。
途中で下流側も解体ガラを取り出しに掛かるんですが前方1穴後方6穴のノズルも使いますがこの辺りで関わる全ての人の心が折れてやっと排水設備の改修工事になりました。
まとめ
そんな訳でいかがでしたか?店舗の改装工事に関わる人にお伝えしたいのは見てくれがどうやとか予算がどうやとか言わず既設管がどうなってるのか排水桝を設置するとか今一度冷静に考えて頂きたいです。
改装前まで流れてたとかも今回の現場みたいになったら言い訳で余計に予算が掛ります。
今回の現場で3分の洗管ホースをお釈迦にしちゃったんでウチも温存してた3分のブレード洗管ホースをいよいよ使う事にしました。
一生懸命にやりましたが今回は結局排水設備の改修工事しか方法が無くなったんはウチも悔しいです。(ちなみにこの後の排水設備の改修工事も既設管に繋いだ人が担当なんでウチはやりません)
あぁぁ~悔しっ!現場からは以上です。