目次
天理市田部町より【店舗 動かせない製氷機の下の排水から水漏れ】って依頼が舞い込んできました。
もう少し詳しく言うと【横に使用してないウォーターサーバー?ありそこから?漏れてくる】との事です。
更に【枝管の詰まりと思う】らしいです。
普通に考えたら製氷機やウォーターサーバーなんて綺麗な水しか流れてこないんだから原因は1つ!
では、この現場がどんな感じの現場やったんか詳しく解説して行きます。
まずは状況確認から
今回はオーナー様が対応して下さったんですが割と排水経路の事や詰まりの理屈を理解されてました。
って言うのもかなり昔から山川設備の作業ブログを読んでたそうで色々と試したりしてたそうです。
エルボからは外のグリストラップまで排水桝を1つ経由して流れ込んでます。下から見て右の排水管が店内を走るメイン管で後の枝管の排水管は埋設配管で結ばれてるって感じの排水経路でした。
店内の水を出しっ放しにして流れを見てると水位が上がって流れが悪い状態だったんで外に出て店内からグリストラップまでの排水桝を確認すると底に油脂が溜まってる状態でした。
これはグリストラップの排水が追い付いてない証拠でグリストラップから高圧洗浄をする必要があります。
とは言え依頼内容は製氷機の下の排水から水漏れって事なんで一見関係ない様に思われますがメイン管の詰まりで枝管の排水管出口が油脂の塊で閉塞してるって自分とオーナー様の意見が一致しました。
高圧洗浄機の準備
作業スペースは十分にあったんで低騒音ハイパワーの高圧洗浄機を準備しました。去年の8月にオーナー様のお友達がジェットをしたそうなんですがそもそもオールクリアに出来てたのか、出来てたとしたら何故こんな早く詰まったのかを確認する必要があります。
まっ、何よりもかによりも『薬剤を使って流れなくなった』って聞いてたんでそれは流し込んどかなアカンと高圧洗浄を決めたんです。
グリストラップから店内メイン管を洗管作業するのに20mの高圧ホースを準備しました。
洗管ホースは3分と2分をそれぞれ用意しました。
3分の洗管ホースにはアサダ製後方6穴ノズルをセット、2分の洗管ホースにはシンショー製超旋回ノズル2穴式HRノズル改 2分ホース用をセットしました。
方針としては3分の洗管ホースでザックリ排水管の汚れを落として2分の洗管ホースで排水管の壁面に付着する油脂の塊を除去する作戦です。
先発はアサダ製後方6穴ノズルから行きます。このタイミングではグリストラップのバスケット(ゴミ籠)には余裕がありましたが…
排水管の高圧洗浄
まずはグリストラップの出口付近の油脂の塊を除去します。ここが取れてないと後からの作業が上手く行きません。
この段階でグリストラップのバスケットにかなりの油脂の塊が流れ込んだんで『所詮ホースで水を流したって言っても取れてないやんか』って思いながら作業をしてます。
オーナー様が『シャワーヘッドで水を流してた』って言ってたんですがそれで解決するならウチもポータブルの高圧洗浄機しか持たなかったと思います。
何でわざわざ高い低騒音ハイパワーの高圧洗浄機を導入したんやって話です。
グリストラップからの洗管作業をし始めてLの排水桝に到達する頃にはグリストラップのバスケットはパンパかちんになって1層目の水位がドンドン上がってきました。
排水桝から店内の排水桝を高圧洗浄してるタイミングでグリストラップのバスケットはオーナー様に掃除をしてもらいました。
店内の排水桝からの洗管作業
水封エルボを女性店員さんに渡して洗ってもらってる間に店内の排水桝からの洗管作業でメイン管を高圧洗浄しました。
2分の洗管ホースで超旋回ノズルで洗管作業してたんですが枝管に入ると上手く旋回してくれません。
『枝管の清掃が下流側からの高圧洗浄で自由自在ならドレンクリーナーで通管作業は要らないんだけどなぁ~』って思いながら1分の洗管ホース紫にシンショー製超旋回ノズル2穴式HRノズル HR-SA13切欠きR-Nで洗管作業をしました。
ちなみにフルテック製の超旋回ノズルは樹脂製のガイドがしょっちゅう無くなるんで使い物になりません。
中の島のシンクの流れも悪いって聞いたんでシンクから高圧洗浄してやろうと超旋回ノズルを入れたら上手く旋回しなかったんで後方6穴スズランノズルに変更して高圧洗浄をやってみました。
YouTubeで人気の詰まり王子さんがこれをよくやってるから『上手く行きそうなら動画を撮ろ』って思ってたんですが…
シンクからの高圧洗浄で『抜けた!』って思ったら防臭キャップをしてないんでアッサリ逆流しました。
シンクを移動させてドレンクリーナーで通管作業する事にしました。
ドレンクリーナーで通管作業
ドレンクリーナーは電動フレキシロッダーCREに10mmのワイヤーでグリスカッター37で詰まり抜きをしました。
通水テストをして水はジャンジャン流れるんですが上流側に洗い場シンクがあったり肝心要の製氷機の下の詰まりも触ってないから二度手間にならない様に管内カメラ調査をすると枝管は油脂だらけでした。
そのままフレックスシャフトK9-102で管内カメラ調査をしながらの通管作業で排水管の壁面に付着する油脂の塊は全て除去しました。
その後製氷機の下の排水管をやっと触り始めたんですがこれがなかなか厄介で電動フレキシロッダーCREに8mmワイヤーにドロップヘッド小で通管させたんですが大量の水を流すと溢れてきます。
フレックスシャフトK9-102のチェーンノッカーをシングルチェーンノッカーに変更して40の排水管の中に潜む油脂の塊を全て砕いた時には6時間を超えてました(号泣)
まとめ
そんな訳でいかがでしたか?これをオーナー様の意見をまともに聞いて製氷機の下の排水管から通管作業を始めてたら一生再発を繰り返していたと思います。
下流側の確保は大切で結果的に洗い場シンクの排水管以外の枝管はオールクリアに出来ました。
洗い場シンク下の排水管も時間があればやりたかったんですがタイムオーバーです。
次に再発するなら洗い場と食洗機の排水管か…現場からは以上です。
関連記事